VRML Viewer について    about VRML Viewer
 VRML(Virtual Reality Modeling Language)は、コンピュータ上で3次元空間を表現することがきるプログラミング言語のひとつです。VRMLで作成した図形は、実際にぐるぐる回して観察することができるので、複雑な形状を把握するには、とても便利なツールだと思います。

 現在、VRMLには2種類のバージョン(VRML1.0とVRML2.0)があり、通常はVRML2.0(制定年からVRML97とも呼ばれる)のことを一般的にVRMLと表現する場合が多いようです。VRML2.0は、ISO(国際標準化機構)とIEC(国際電気技術標準機関)により国際標準として認可されています。

 VRMLの制定当初は、ブラウザでそのまま表示できる様々なプラグイン型のビューア(viewer)が提供されましたが、現在は、次世代の仕様としてVRMLが進化したXMLベースのX3Dに移行が進んでいることもあり、プラグイン型のビューアの数が極端に減って(セキュリティの面もあるようです)、単体で動作するX3D対応のビューアが提供されるようになってきています。現在、Windows環境で使えるプラグイン型のビューアは、Internet Explorer11(IE11)で動作する「Cortona3D Viewer」のみになっていおり、IE11のサポートの終了で、EdgeのIEモードでの使用でかろうじて利用できる状況となっています。

 また、ウェブ環境においては、WebGL(Web Graphics Library)というウェブ標準技術の登場により、互換性のある任意のウェブブラウザ上で、HTMLファイル内に埋め込まれたJavaScriptを介して、プラグインを使用せずにインタラクティブに三次元コンテンツをレンダリングすることが可能になり、それを用いたビューアも提供されています。

 VRML viewerには、様々なものがあります(たとえば、こちらを参照)。各々のビューアには、仕様やバージョンの違い、独自の拡張、サポートしているスクリプト言語の違いなど、機能に違いがあります。また、VRMLでは、モデルのレンダリングはビューア側が提供しているため、使用するビューアによって見え方が異なることもあります。本サイトに掲載している多面体は、主に「Cortona3D Viewer」で表示確認を行っていますが、多面体の一覧表におけるVRMLモデルの表示には、プラグインをインストールする必要のない「X_ITE X3D Browser」を使用しています。

 以下は、私のPC環境(Windows8.1および11)で表示確認を行った幾つかのVRML Viewerのリストで、モデルの表示状況などをコメントしています。これらのビューアの導入、インストール等については、サポートできかねますので、あくまでも自己責任でお願いします。

JavaScriptで動作するVRMLビューア  X3D / VRML Viewer in JavaScript.
X_ITE X3D Browser  検証バージョン:8.6.9a(Win11)
   ・オープンソースのJavaScriptで動作する X3D / VRML ビューア。
 ・JavaScriptで記述された新しい3D JavaScriptライブラリで、レンダラーは、WebGLを使用している。
 ・X3D / VRML モデルをHTML5で記述されたページ内にオンラインで公開することができ、
  プラグインをインストールすることなく、Edge,Firefox,Chrome,Safari,Opera等の
  主要なウェブブラウザで動作する。また、Android,iOS,WindowsMobileといったモバイル環境
  でも動作する。
 ・これにより、WebGLの3Dグラフィックスライブラリを使用して、X3Dコンテンツを複数の異なるOSの
  異なるブラウザ上で三次元表示することが可能となっている。
 ・本サイトの多面体の一覧表は、X_ITE を用いてVRMLコンテンツを表示するように設定している。
 ・本サイトに掲載している多面体は、基本的に問題なく表示される。
  
プラグイン型のVRML Viewer  Plug-in type VRML Viewer
Cortona3D viewer  検証バージョン:7.0(Win8.1),9.1(Win11) 要インストール
   ・VRML に対応したWindows環境下で動作するビューア。
 ・本サイトに掲載している多面体は、Cortona3D viewerで表示確認を行っている。
 ・現在、IE11でのみプラグインとして動作する。
 ・ただし、2022年6月15日、デスクトップアプリとしてのIE11のサポートが終了。
 ・そのため、Win10などの環境でもIE11をアプリとして起動することができなくなる予定である。
 ・EdgeのIEモードで、引き続きプラグインとして使用することができる(確認済み)。
 ・レンダラーとして、DirectX,OpenGL を選択できる。
 ・JavaScriptには対応している。
 ・同じ線が定義されている場合は、後から記述した線が表示される。
 ・星形多角形について、一筆書きの順番でも(自己交差しても)、面を定義できる独自の拡張機能がある。
  
単体で動作するVRML Viewer  Stand-alone type VRML Viewer
RapidAuthor viewer   検証バージョン:14.0.1(Win8.1,11) 要インストール
   ・VRML に対応したWindows環境下で動作するビューア。
 ・Cortona3D viewerを開発したParallelGraphics社が提供する、3Dコンテンツ等を表示するビューア。
 ・VRML2.0にも対応しており、Cortona3D viewerとほぼ同等な表示となるが、
  文字列の表示には対応していないようである。
 ・本サイトに掲載している多面体は、基本的に問題なく表示される。
view3dschene  検証バージョン:4.0.0.(Win8.1,11) 要インストール
   ・X3D / VRML に対応したクロス環境下で動作するビューア(Windows,MacOS,FreeBSD,Linux)。
 ・本サイトに掲載している多面体は、基本的に問題なく表示される。
 ・Cortona3D viewerと比較すると、透過度による見え方が若干異なる(少し透過されやすい)。
 ・Inlineコマンドで、"http","https" プロトコルのurlファイルを読み込むことに対応していない。
 ・JavaScriptには対応していない。
 ・点の大きさや線の太さを変更できる独自の拡張機能がある。
 ・同じ線が定義されている場合は、先に記述した線が表示される。
Octaga Player  検証バージョン:5.0.8(free版)(Win8.1,11) 要インストール
   ・X3D / VRML に対応したWindows環境下で動作するビューア。
 ・本サイトに掲載している多面体は、基本的に問題なく表示される。
 ・Cortona3D viewerと比較すると、透過度による見え方が異なる。
 ・JavaScriptには対応している。
 ・同じ線が定義されている場合は、後から記述した線が表示される。
 ・星形多角形について、一筆書きの順番でも(自己交差しても)、面を定義できる拡張機能がある
  (非凸多角形を定義する必要がある)。
freeWRL  検証バージョン:4.7.0(Win8.1) 要インストール
   ・X3D / VRML に対応したクロス環境下で動作するビューア(Windows,MacOS,Linux)。
 ・本サイトに掲載している多面体は、ほとんどは問題なく表示される。
 ・ただし、透過度の設定がきちんと反映されない(面が透過されない)。
 ・Cortona3D viewerと比較すると、若干明るめに表示される。
 ・JavaScriptには部分対応。
 ・同じ線が定義されている場合は、後から記述した線が表示される。